~月経に関する座談会~

この度、アランマーレでは「with smile project」の一環として、「月経に関する社内座談会」を実施いたしました。

女性アスリートの月経問題の顕在化、および月経における経済損失の影響認識拡大、フェムテック市場が拡大している中、アランマーレでは、女性が抱える課題へのアプローチ、また、女性の選択肢を増やす取り組みの一つとしての活動も進めています。

 

下記では、広報誌「with Aranmare」に掲載しきれなかった座談会の様子を公開しておりますので、ぜひご覧ください!

 

今後も、アランマーレの応援をどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

【参加者紹介】

 

【オブザーバー】

櫻井 恵:2013年入社後、プロパティアシスト事業部に配属。アプリやシステムの開発業務を担当後、2017年よりアランマーレ事業統括部に所属。

 

 

~座談会の様子~

 

 

ー月経に関して不便を感じた場面や、それぞれ思うことは?ー

 

戸津:私自身の症状でいうと、結構重いタイプ。具合が悪いと感じる日はあるけど、研修だと相手がいることなので、行かなくてはいけないのが大変だなと感じますね。女性が多い業務チームにいるけど、改めて考えると他の人の症状や体調の話をほとんど聞いたことがなかった。今回の座談会の企画を聞いて、言えていないだけでみんな我慢して過ごしているのかもしれないと思いました。

 

ーそれは、選手も同じですか?-

 

佐藤:人数がいなかったら練習が回らない、人が少ないと順番も早く回ってきてしまう分、休んでいない人が大変になってしまう。そういうことを考えてしまいますね。

河瀬:私はそういうことよりは、ただ純粋に5人しか試合に出られないから極力休みたくないなというほうが強い。練習に参加しないことで自分のスキルアップの機会が減る=それによって試合に出られなくなるなら、無理をしてでも練習にでなきゃと思うのではないかなと…

戸津:業務の場合、出勤が不安定=月経中だからなのでは?というのは何となく感じるが、本人から直接そういう話題を出してもらえないとなかなか分かってあげられないのが難しい部分かなと思います。

櫻井:(選手も)休むことで試合に出られない、レギュラー争いに影響してしまうということも起こりうるのだなと、話を聞いていて感じました。体調不良は、男女関係なく誰しも起こりうることだと思うけど、男性側も休むと「自分のポジションが奪われる!」みたいな感覚ありますか?

鈴木:ビジネスでは、1日2日休んだからと言ってポジションが入れ替われるようなことはないからその意識は薄いかも。競争が苛烈なスポーツの世界ではあるかも知れないですね。

 

 

 

 

ー個々のパフォーマンスについてー

 

鈴木:疑問に思ったんだけど・・・(月経中)パフォーマンスはどのくらい落ちるもの??

~女性陣「個人差があるからな~・・・」~

戸津:個人差はあるけれど、本当に調子が悪いと起き上がれない&頭やおなかの痛みがずっと続いているときもありますね。逆に調子がいいときは普通に起き上がれますけど。

鈴木:ただでさえそんな症状がある状態で、(選手のように)身体を動かすのは相当大変なんだろうなと思います。

佐藤:私はあまり症状が重くなくて、(月経中は)少しお腹痛いかな~というくらいの感じ。でもチームメイトの中には、必ず鎮痛剤などを飲んでいる選手もいるし、毎回常備していました。

戸津:ピルを飲んでいる選手は?

佐藤:飲んでいる選手はいる。でもピルは服用時間が決められるから手間だし面倒と言っていました。

櫻井:副作用がでる場合もありますしね。

佐藤:たしかに飲み始めの時は気持ち悪くなったりすると言っていました。そうなると、やはり少し不便だな~と…

 

 

ー話やすい環境についてー

 

河瀬:今は、間にトレーナーさんが入っていることで、ワンクッションになっています。同性でもあるので、身体のことは言いやすい環境かなと。女性特有の問題に限らず、(トレーナーは)身体の専門家だから相談しやすい。小嶋さん(ヘッドコーチ)は年齢も上だし、女子の指導歴が長い方なので、ある程度の理解はあると思います。ただ、同じ年齢くらいのコーチだと難しい場合もあるかもしれませんね…

戸津鈴木さんの質問(”どのくらいの症状なのか?”)があるということは、そもそもそのレベルの理解しかされていないのだと感じました。ずっと経血が出ているのか、どのくらい続くのか、知らない方がほとんどですよね。

 

 

ー小中学校の性教育授業は男女別でしたか?-

 

鈴木:別でした。

河瀬:一緒だったと思います。

佐藤:授業は同じだったけど、ナプキンのつけ方だけ別で教えられていました。

鈴木:保健体育の授業とかで教わる知識としてわかっている部分はあるけど、どのくらいの痛みなのか、どう辛いのかはわからない。さっきも話が出ていたように、女性同士でもわからない、触れられたくないということがあるくらいだから、男性側から関わっていくことは、うーん・・・何を配慮してあげたらいいか正直わからないですね。

戸津:チームに一人は女性管理者がいたほうがいいのかな。選手でいうトレーナーさん的な立ち位置で。

櫻井:これだけ女性社員が多いので、女性の疾病に詳しい方(女性外来担当医等)が就いてもいいのかなと感じました。最近だと「アスリート外来」などもありますよね。

河瀬佐藤:え~!そうなんですか、知らなかった。。

 

 

ーまずは、男性が知識を得ることが大切?その後のアプローチについては?ー

鈴木:具体的なアプローチをするべきかといったら難しい…。でも、全くアンテナがない人が、知識を付けることで配慮できるようになったり、言葉端が少し変わったりすることはあると思う。かといって、知識を得たら急にああだこうだ積極的に何かをやり始めるのは違うでしょ?(笑)

(女性陣も笑って共感)

戸津:ただ、業務に積極的に取り組んでいるのに、毎月の生理で何日か休んでいることに対して「また休んでる」みたいには思われたくないですよね。

 

ー体調不良による休暇について感じること-

 

鈴木:明確にヒアリングしてればわかるけど、体調が悪いということに深く突っ込まないのもある。「風邪?」くらいは聞くかもしれないけど、おなかが痛いと言われたら引き下がる。「なんでお腹痛いの?」とは聞かない。

櫻井:でも確かに、知ってもらった先で何をしてほしいかといわれたら難しい…

鈴木:それに関しては男女関係ないよね?知った先の正しい行動はどちらの立場であっても難しい。

戸津:確かに・・・ 女性の敵は女性、みたいなアンケート結果もありましたよね?

鈴木:気合!根性!みたいな世代で育ったひとが多い世代は余計に。自分がいけるから大丈夫だろ、みたいな思いが出てしまうのかも。

 

 

ー日々の生活で配慮してほしいなと感じることは?-

 

河瀬:ユニフォームが白色の時は本当に気を遣います!

佐藤:私はタンポンをつけて、ナプキンもつけて試合に出ています。

櫻井:そうなると白色のユニフォームも考えものですね…

戸津:私も剣道部のころ、白い袴で着替えも大変。特に脱ぐのが大変で、和式トイレだと「あ~・・・」となる。

河瀬:絶対に白色ユニフォームじゃないといけない時もあるから、万が一汚れてしまったとき用の替えは必須です。

佐藤:着替えるときも、チームメイトとはいえ見せられるものではないから大変ですよ。和式トイレだとなおさら!

 

 

ー世代間ギャップについてー

櫻井:世代のせいにするのはよくないですけど、自分たちの代は我慢することが当たり前のような感じもありましたよ。熱の時も「そんなので休むの?」みたいな。

鈴木:それはよくわかる(笑)具合悪いけど来ました!みたいな謎の誇りを持つ人もいた。

佐藤:高校時代、「そんなことで休むの?」のようなことを言われたという話はたくさん聞きました。怪我をして足を引きずっていても参加する姿勢をみせてからじゃないとだめ、監督やコーチに言われてから初めて休める、みたいな…

鈴木:昭和的な考えだけど、そういうひとがいるのはすごくわかる・・・

櫻井:別にズルして休んでいるわけじゃないのに・・・

 

 

ー休む判断の難しさ(身体の声を聴く)ー

 

櫻井:河瀬さんは学生の時女性監督だったから話やすかったですか?

河瀬:うーん、話やすいのもあるけど怖い対象ではあった。(笑) 先輩で、症状が重く、練習ギリギリまで横になっていたけど休みたくないと思っているのは絶対にあって。そうなると無理してでも頑張ろうとしてしまいますよね。

佐藤:周りからみて「顔色悪いね」と言われたり、明らかに体調悪いのが伝わっているときのほうが休みやすいのはあるかもしれない。

河瀬:それこそ足引きずりながら、ではないけど(笑) あきらかに無理な状況になるまではなんとかしてやらなきゃみたいな考えが根深いのではないかなと…。怪我の時も今日休んでおけばひどくならずに済みそう、と思うことがあっても、休んではいけないという気持ちがあると「まだいけるかな」となってしまう。それが逆に長引いてしまう原因の場合もあるんですけど…。月経だと毎月あるし、1日休んだら治ることでもないからさらに難しいなと思います。

 

 

ー我慢する意識を変える大切さー

 

鈴木:チーム内すべてに女性リーダーを置くのは難しいかもしれないけど、事業部内、もしくはグループ内にいる女性に月経・体調の問題を相談していいんだよという周知、ルートづくりをするのがよいと思う。

戸津:それはすごくいい!あとはそもそもの知識を増やす研修などもセットで。

櫻井:男女関係なく、聞く姿勢をもつ意識付けが大切ですね。知ったからといってグイグイいくのではなく。

鈴木:そういった発信しやすい環境づくりを進めるのはもちろん、発信のモデルケースをアランマーレができるといいのではないかと思いますね。